新潟駅、万代、古町をつなぐ都心軸はほぼ2キロメートル。新潟市はこのエリアこの都心軸周辺エリアを「にいがた2km(ニキロ)」と名付け、まちづくりを推進しています。これまで同市は、「にいがた 2km」エリアにおいて企業ニーズに対応した高機能オフィスの整備を促進するとともに、 IT企業の誘致にも注力。昨年10月には、INPEX 新潟ビルディングが竣工し、首都圏に拠点を構える企業が⼊居しました。これを受けて同市は、2025年3月27日(木)、中原八一新潟市⻑やビルオーナーの株式会社INPEXビジネスサービス、他進出企業7社が登壇する「にいがた2km進出報告式典」を開催。本式典の様子は、県内複数局のメディアでも報道され、大きな注目を集めました。本式典は、誘致企業や同市の取り組みを、新潟のみなさんに広く発信することが目的です。とりわけ、地域の未来をつくる学生を、重要な対象と捉えていました。そこで、本式典の参加学生の募集及び意見交換会において企画・運営伴走を支援したDERTAは、学生の集客や、式典にて学生が意見を出しやすい仕掛けの準備、学生と企業が交流できるランチミーティングの企画・運営等をサポートいたしました。本プロジェクトの背景と具体的な取り組みについてご紹介します。プロジェクトの背景本式典に登壇した、INPEX 新潟ビルディングに入居する首都圏企業は7社。この7社の進出により、今後5年間で300⼈超の新規雇⽤が⾒込まれています。新潟市は長年、若年層の流出、特に進学や就職のタイミングで多くの若者が地元を離れるという課題を抱えてきました。この人口減少に歯止めをかけるためには、若者が地元に魅力を感じ、「ここで働きたい」「ここに住み続けたい」と思えるような環境づくりが必要不可欠です。それゆえ同市は、本式典でメディア等に向けて企業誘致の取り組みや成果、進出企業のお披露目を行うだけでなく、地元学生にも企業を知ってもらいたい、また企業の社員と交流する機会をつくりたいという強い想いを抱いていました。そうした課題意識の中、新潟でコミュニティ事業を展開し学生とのつながりも深いDERTAに、学生の集客や、式典後のイベント企画・運営支援のお声がけをいただきました。DERTAは主に、学生の集客・周知、そして企業と学生を自然につなぐためのランチミーティングの設計・運営を担当。企業と学生がフラットな関係で交流できる場の設計をすることで、学生に地元企業の魅力を肌で感じられる機会を提供することを目指しました。取り組みについて事前準備本式典の開催に向けて、新潟市職員とDERTAで4回にわたる打ち合わせを実施。式典・内覧会・ランチミーティングにおいて、学生が自然体かつ能動的に関われるプログラム設計を検討しました。打ち合わせにはDERTAの学生インターンも参加し、実際の参加対象者である「学生の目線」を企画に反映いたしました。また、企業目線、学生目線など多様な視点を組み合わせた企画にするために、オンラインホワイトボードアプリ「Miro」を使用したワークショップも実施。DERTAの運営メンバー(学生を含む)と新潟市職員が一体となり、「式典・内覧会で学生の緊張をほぐすための工夫」「ランチミーティングでの交流テーマ」などについてアイデアを出し合い、フィードバックを重ねながら企画の中身を具体化していきました。当日の様子日時:2025年3月27日(木)10:00〜15:00(9:45受付開始)場所:INPEX新潟ビルディング(式典・内覧会)、Workwith本町(ランチミーティング)スケジュール:09:45 受付・全体説明10:30 式典11:30 内覧会12:40 会場移動13:15 ランチミーティング15:00 終了当日は、学生の受付と半日を通して行われるプログラムの全体説明からスタート。式典では、新潟市長やビルオーナー、進出企業の方々からの挨拶を通じて、行政や企業の新潟進出への思いに触れる貴重な時間となりました。また、式典における企業・学生とのコミュニケーション施策として、匿名で質問可能なプラットフォーム「Slido」を活用。これにより当日は多くの質問が寄せられ、質疑応答の時間は大変活性化しました。式典後は、グループに分かれて進出企業のオフィスを見学する内覧会が実施されました。実際の職場環境に触れることで、学生の企業理解がより深まりました。その後、DERTAが設計を担ったランチミーティングを実施。はじめに、ファシリテーターを務めるDERTAメンバーが、本日のスケジュールやルールについて説明しました。「年齢・立場・スキル関係なくフラットなコミュニケーションを」「今日はあだ名で呼び合おう」などのルール設定により、学生と企業が自然体で交流できるよう、場の定義づけを行いました。その後、ランチを囲んだフリーの交流タイムを挟み、より密度の高いコミュニケーションを実現するためのグループワークを実施。各グループにはDERTAのメンバーやインターン生がファシリテーターとして参加し、円滑な進行と対話のサポートを行いました。ワークのテーマは「自分がなりたい社会人とは?」。模造紙や付箋を活用しながら意見を自由に出し合い、最終的にはグループごとに発表を行いました。ファシリテーターが中心となり、参加者一人ひとりが意見を述べられるような安心感のある場づくりを行い、全員の対話が自然と引き出されるよう工夫しました。ワークを通じて、カジュアルでオープンな雰囲気の中でお互いの価値観や考え方を深く共有することができ、参加者同士の理解が深まる有意義な対話の場を創出いたしました。式典・ランチミーティング参加者の声【学生】多くの社会人と関わることができて、貴重な機会を経験することができました。社会人になることや、新潟で働くイメージができるようになりました。また、エンジニアなどの専門的な職業の話も聞けて将来の選択肢が広がりました。社会人と関わることで、自分の未来への想像を広げることが出来ました。スタンディング形式だったので、色々な人と話せて楽しかったです。自分のキャリアデザインの参考になりました。新潟でのキャリア形成の解像度が上がりました。【企業】合同説明会などではわからない、学生さん達の深い部分を知ることができました。あまり学生とコミュニケーションを取る機会がなかったので、新鮮でした。今の学生の就職に対する考え方が分かり、とても参考になりました。お客様の声多くの若者が市外転出している状況を踏まえ、学生から市内就労のイメージを持ってもらうことを目的に、本式典への学生の参加を企画しました。しかし、学生へ情報を届け、より多くの参加を促すことが課題となりました。そこで、効果的な情報発信による学生募集のほか、学生ニーズに沿った交流会の企画運営において、DERTA様にご協力をいただきました。企画の段階からDERTA様の学生インターンの方に参加してもらったことで、ターゲットである学生が求める内容を反映させることができ、参加者の満足度向上に繋がりました。Credit企画、ディレクション:須貝美智子、齋藤華当日運営:坂井俊、須貝美智子、齋藤華、平山茉咲DERTAインターン:新藤紘之介、前田海人、伴海羽、宇於崎圭吾