背景と取り組み新潟県は、働く場やチャレンジする場として若者や女性に「選ばれる新潟」を実現するため、起業・創業の推進を重点施策の一つとして位置づけ、取り組みを推進しています。その一環として「デザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法」である「デザイン経営」にも着目しています。新潟に拠点を構えるDERTAは、新潟ゆかりのクリエイターコミュニティ「cos DERTA(コサインデルタ)」の運営を通じ、多くの県内クリエイターとの繋がりを築いています。また新潟において、デザイン思考、デザイン経営など、広義の「デザイン」をテーマにしたイベントを数十回にわたり実施しており、累計参加者数は約600名います。今回は新潟県が目指す、スタートアップの成長促進やイノベーションの創出のため、県内事業者やデザイン関係者、経営者を対象としたイベントを開催いたしました。全2回、累計約200名が参加した本イベントの概要をご紹介します。事前準備DERTAは、イベントの企画、登壇者のアサイン、会場手配、告知・広報活動を行いました。登壇者には、DERTAが持つネットワークの中から、新潟県内外で活躍中のデザイン経営を実践している経営者、世界的に有名な企業に向けデザイン経営のコンサルティングを行っているデザイナーなどを招聘。また、DERTAは当日の会場準備、設営、進行も担当し、ファシリテーターは弊社CDOの須貝が務めました。概要以下では各回のイベント概要、当日の様子についてご紹介します。第1回:新潟に必要な「デザイン経営を探る」日時: 2023年1月31日(火)19:00~21:00(18:30受付開始)場所: 新潟県ITイノベーション拠点施設 NINNO https://ninno-plaka.com/参加費: 無料当日参加者 :124名(現地:31名、オンライン:93名)登壇者(パネリスト):◆石川竜太 氏 | 株式会社フレーム アートディレクター/グラフィックデザイナー/代表取締役/NICO 企業戦略ラボ プロデューサー◆堅田佳一 氏 | KATATA YOSHIHITO DESIGN 代表/中川政七商店 コンサルタント/NICO ポテンシャル・ラボ プロデューサー◆中野浩明 氏 | 株式会社スリー アートディレクター/デザイナー/取締役◆齋藤 恵太 氏| 新潟県参与 デザイン経営担当/株式会社グッドパッチ Goodpatch Anywhere ファウンダー 事業推進プロジェクトリーダー当日の様子デザインの文脈において、新潟の第一線で活躍する石川氏、堅田氏、中野氏と、新潟県参与 デザイン経営担当である齋藤氏が「デザイン経営」についてディスカッションするということで、リリース当初から多くの方からご注目いただいた本イベント。当日は現地・オンライン合わせて124名の方々が参加。デザイナーを中心に、ディレクターや広報、ライター、マーケター、経営コンサルティング、学生など、多種多様な職業・属性の方々が参加しました。イベントは、パネルディスカッションとしてパネリストの4名がテーマに沿った各自の見解を述べる形で進行。その様子は、ブラウザ上で共同編集ができるデザインツール「FigJam」内に記録し、参加者は登壇者の発言をリアルタイムで視認できるような形でイベントを進めました。イベント終了後は交流会を開催。登壇者と参加者、また参加者同士が熱心に意見交換を行う様子が見受けられました。また、当日は新潟日報からの取材を受け、2/8朝刊には本イベントに関する記事が掲載されました。参加者の声デザイナーをプロジェクトに入れることで発生する効果や、リサーチにおけるデザインの力が作用する例などを話されていて、なるほどなと腹落ちしました。普段仕事で感じていたモヤッとした課題を解像度高く理解できました。パネリストの方々の考え方や姿勢からもデザインが持つ意味の広さを感じられて、もっと勉強しようと刺激を受けました。新潟でデザイナーをしておりますが、どんな職種にいたとしてもプロジェクトや事業の根幹部分に向き合って行かねばと一層思わされました。デザイン経営と聞くと、ロゴや商品パッケージをオシャレにといったようなアウトプット主体のイメージでしたが、経営コンサル的なアプローチで、事業者によりそい、上流から下流、お客様をしっかり捉えるといったところが共感できました。第2回:新潟版「デザイン経営」の実装を考える日時: 2023年3月20日(月)19:00~21:00(18:30受付開始)場所: 新潟県ITイノベーション拠点施設 NINNO https://ninno-plaka.com/参加費: 無料当日参加者: 72名(現地:28名、オンライン:44名)登壇者:◆花城 泰夢 氏| BCG X(ボストン コンサルティング グループ)/Partner & Director, Experience Design(登壇当時)◆齋藤 恵太 氏| 新潟県参与 デザイン経営担当/株式会社グッドパッチ Goodpatch Anywhere ファウンダー 事業推進プロジェクトリーダー◆武田 修美 氏| 株式会社MGNET 代表取締役/事業環境創造研究所[BEECL]所長当日の様子初回に続き、新潟県参与 デザイン経営担当である齋藤氏をお招きし、さらに新潟でのデザイン経営の実践者である武田氏と、デジタルテクノロジーに関わる専門家集団「BCG X」において、デザイン経営の第一人者である花城氏もお迎えしました。経営にフォーカスした第二回は、経営者・マネジメント層の方々に多数ご参加いただきました。イベントでは、「デザイン経営」におけるご自身の会社の具体例、「デザイン経営」の思考をふまえた組織づくり、「デザイン経営」視点から見て新潟県に不足しているポイントなどをお話いただきました。前回と同じく議事録は「FigJam」内に取り、その様子はスクリーンにリアルタイムで投影しながら進行。その後、3人によるパネルディスカッション、最後に質疑応答の時間を設けました。イベント後の交流会では、前回同様、登壇者と参加者、また参加者同士が熱心に意見交換を行う様子が見受けられました。参加者の声デザイン経営の単語はしばしば耳にすることがありましたが、ここまで掘り下げた内容は初めてでした。と同時に、大事なことはアナログの部分にたくさん隠れていることにも気付かされました。デザイン自体の重要性、自分自身が理解をしていなければならない理由を知ることができました。デザイン思考やプロセスの話、チームづくり(熱量)の話、意図的に空気をつくる話など、具体的でとてもわかりやすかったです。話の内容もさることながら、大いに熱量をもらった気がします。すぐに取り入れることができることも教えていただいたので、明日からのワークスケジュールにもぜひ追加していきたいと思います。お客様の声齋藤参与をはじめ、デザイン経営に関する知見や人的ネットワークを有する専門家によるセミナーを通じて「デザイン経営」の考え方や重要性について参加者の皆様と共有できたと感じています。今後もスタートアップや県内企業の皆様のさらなる成長促進ができるよう、取り組みを進めてまいります。Credit企画、ディレクション:須貝美智子ファシリテーション:須貝美智子イベント運営:坂井俊、丸山太一、赤塚裕介、齋藤華