背景と取り組み本プロジェクトは2022年度から引き継いでおり、当時、新潟県産業労働部様は、新潟県内のスタートアップおよび既存企業を支えるCTO(最高技術責任者)人材の育成に課題を抱えていました。本課題に対して、フラー株式会社の共同創業者・元CTO 現技術顧問の藤原敬弘氏が企画を提案。これにDERTAも参画し、藤原氏とともに、既存エンジニアが自身のキャリア観を考える機会を提供しつつ、未来のCTO人材を育成することを目的としたプロジェクトを実施しました。2022年度の取り組みはこちら2023年度も引き続き、新潟県内産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に不可欠なエンジニア、デザイナーなどの発掘、育成を目的としたコミュニティ形成に資するワークショップ、アイデアソンなどを実施することで、エンジニア等が生まれ育ち、成長するエコシステムの構築を目指しました。概要2023年7月〜2024年2月までの期間、ワークショップ形式のエンジニア、デザイナー等の育成プログラム「DERTA GIG」を全7回、新規サービスやプロジェクトを生み出すことを目的にした「DERTA GIG アイデアソン」を全2回の合計9回のプログラムを実施。DERTAは企画・実施を担当しました。また、藤原氏、LINEヤフー株式会社 エンジニアの竹内謙太氏による個別メンタリングの機会を用意。DERTA GIGに参加するCTO、エンジニア、学生などに対して、藤原氏、竹内氏がシステムプログラム、デジタルツール等の技術面のメンタリングを実施しました。プロジェクト全体を通し、参加者のエンジニアリングに対するスキル・意識の向上エンジニア同士の交流促進全国で活躍する技術者・技術者コミュニティとの繋がり強化を行い、新潟の高度IT技術責任者の育成を推進しました。以下では、「DERTA GIG」全7回と「DERTA GIG アイデアソン」全2回、メンタリングの様子をご紹介します。「DERTA GIG」について【Vol.8】AWS Amplify ハンズオン【Vol.9】新潟在住エンジニアに聞くリモートワークの実態【Vol.10】Azure OpenAI ハンズオンSTUDIO ハンズオン in 新潟【DERTA GIG vol.11 ×DERTA JAM with BEECL×ETSUZAN】【DERTA GIG vol.12×JAWS-UG新潟】AWS re:Invent 2023 re:Cap"エンジニアにとって住みやすい新潟とは?"(NINNO ACCADEMIA【Vol.13】さくらのクラウド ハンズオン in 新潟【DERTA GIG Vol.8】AWS Amplify ハンズオンアマゾン ウェブ サービス ジャパン様をお招きし、Amplifyのハンズオンイベントを開催。AmplifyはAWSが提供するウェブフロントエンド、モバイルアプリの開発を加速させるために作られたプラットフォームです。イベントではAmplifyの機能や利点について理解を深め、交流会では講師や参加者がつながり、今後の継続的な情報交換の基盤づくりの場となりました。【DERTA GIG Vol.8】 イベントレポートはこちら【DERTA GIG Vol.9】新潟在住エンジニアに聞くリモートワークの実態オンラインで「新潟在住のエンジニアに聞くリモートワークの実態」をテーマにパネルディスカッションと交流会を開催。新潟でリモートワークをしている・リモートの部署で働いているエンジニアである、株式会社モニクル 中川幸哉氏、フラー株式会社 畠山創太氏、araya氏の3名をお招きしました。新潟での働き方やリモートワークのポイント・ナレッジを学ぶことで、新潟でも多様な働き方を実現することが可能だと感じていただける時間となりました。【DERTA GIG Vol.9】 イベントレポートはこちら【DERTA GIG Vol.10】Azure OpenAI ハンズオンMicrosoft MVP for AIの受賞歴もある河本貴史氏をお招きし、OpenAIのChatGPTを使った、Azure OpenAI Serviceによるハンズオンイベントを開催。エンジニア以外の方々も参加できるような初心者向けイベントにすることで、フリーランスのWebディレクターやマーケターなど、エンジニア以外の方々にもイベントにお越しいただきました。【DERTA GIG Vol.10】 イベントレポートはこちらSTUDIO ハンズオン in 新潟【DERTA GIG vol.11 ×DERTA JAM with BEECL×ETSUZAN】このイベントでは、広義のデザインについての勉強会&交流会イベント「DERTA JAM with BEECL」、新潟県内の学生や若手を対象としたIT人材発掘・育成プロジェクト「ETSUZAN」とコラボレーション。株式会社STUDIO エンジニアリングマネージャー 菅原孝則氏をお招きし、ノーコードWeb制作プラットフォーム「STUDIO」中〜上級編の内容についてレクチャー・ワークショップを行うハンズオンイベントを開催しました。講師や運営が会場内を随時巡回することで、参加者の疑問点をすぐに講師に確認できる態勢となり、参加者の満足度も高い様子が見受けられました。【DERTA GIG vol.12×JAWS-UG新潟】AWS re:Invent 2023 re:Cap新潟でAWSのユーザーコミュニティ「JAWS-UG新潟」を運営するクラスメソッド株式会社の笠原宏氏をお招きし、AWSのre:Capイベントを開催。AWS re:Inventは、AWSが毎年開催しているAWS最大のカンファレンスです。講師からAWS re:Invent 2023で発表されたAWSの最新情報やハイライトをお話いただくことで、AWSへの理解を深める場となりました。座学中心のイベントということで、参加者は登壇者の話にじっくりと耳を傾けられ、時にメモをとりながら、真剣に学びを深められている様子でした。【DERTA GIG Vol.12】 イベントレポートはこちら"エンジニアにとって住みやすい新潟とは?"(NINNO ACCADEMIA)新潟県を主催とし、NINNO ACCADEMIAと株式会社DERTAで運営を務めた本イベントで、DERTA GIGについて紹介しました。なぜ新潟県はエンジニアにとって住みやすいのか?をテーマに、地域に感じるポテンシャル・チャンス、地域コミュニティの重要性、NINNO 及び NINNO ACCADEMIAの共創事例などについてお話ししました。DERTA GIG vol.13 さくらのクラウド ハンズオン in 新潟さくらインターネット様をお招きし、さくらのクラウドのハンズオンイベントを開催。さくらのクラウドの基本的な利用方法レクチャーや、高火力プランを使った生成AI環境ハンズオンを通してさくらインターネット様のサービスへの理解を深められる会となりました。講義の隙間時間にも、講師の方から生成AIやDockerに関して最新の情報をお話しいただき、技術的に深い知識を得ることもできました。【DERTA GIG Vol.13】 イベントレポートはこちら「DERTA GIG アイデアソン」についてDERTA GIG vol.14デザイン思考で事業創造!2Daysアイデアソン【Day1:課題の解像度を上げよう!】【Day2:ソリューションを考えつつ、ピッチ資料を完成させよう!】DERTA GIG vol.14デザイン思考で事業創造!2Daysアイデアソン【Day1:課題の解像度を上げよう!】「共創」や「ビジネスデザイン」のスキルアップを目指し、新たなビジネスアイデアの構築や組織の強化に効果的だと言われている「デザイン思考」のプロセスに沿ってアイデアを考える2Daysのアイデアソンを開催。テーマは「子どもに主体的な学びを促す、学び×遊びが一体となった『エデュテインメント※1サービス』を考えよう!」※エデュテインメントとは、エデュケーション Education(教育)とエンターテイメント Entertainment(娯楽)という2つの言葉をあわせて作られた言葉。地域で活躍するプレイヤーを「社長」に見立て、社長がワクワクするビジネスアイデアをチームで考えていただき、最終的にはチームでピッチ資料の完成を目指します。最後のピッチ大会で優秀賞や社長賞を獲得したチームは、イベント後にアイデア実現を目指し、社長とともに活動をスタートすることを目指します。1日目は「課題の解像度を上げること」を目的に、アイデアソンのテーマに沿った、ユーザーの課題感を検討することをメインに作業を行いました。その際、チーム内で思考をめぐらすだけでなく、違うチームでペルソナ・ターゲットとなる人物がいたらインタビューをする、また会場の外に出て通行人にインタビューを行うなど、実際のユーザーの声を聞くことを大切したいと伝え、参加者もその通り検証を進めている様子が見受けられました。DERTA GIG vol.14デザイン思考で事業創造!2Daysアイデアソン【Day2:ソリューションを考えつつ、ピッチ資料を完成させよう!】2日目は、「1日目で深めた課題のソリューションを考え、ピッチ資料を完成させる」ことを目的に、さまざまなフレームワークを使用しながら、それぞれが考えたアイデアの詳細を詰めていきました。最終ピッチでは、遊びながらSNSリテラシーを学べるサービスや日常の中で防災訓練ができるアプリなど、チームごとの個性が光るアイデアが発表されました。最優秀賞・社長賞の発表と各チームへの講評後の懇親会では、チームの垣根を超えて交流している様子やアイデアに対して審査員の方にアドバイスをもらいに行く参加者の姿が見受けられました。【DERTA GIG Vol.14 アイデアソン】 イベントレポートはこちらフラー株式会社・藤原氏によるメンタリングアイデアソン開催の中で県内で活躍するCTO、技術者、学生などの方に対し、フラー株式会社 藤原氏及びLINEヤフー株式会社 竹内氏によるメンタリングを提供しました。システムプログラム、デジタルツール等の技術面のメンタリングを2日間開催し、のべ31名の方にお越しいただきました。模擬的な開発環境において、CTO、デジタル・IT担当者が他者と共同作業を行いながら、プロダクト、サービスのプロトタイプの制作を通して実施。ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスの重要性を認識できたり、全体最適を目指すシステムデザインのアプローチを学べたりする時間となりました。メンタリング参加者の声エンジニアがプロジェクトの上流部分から入ることで、ユーザーの利用環境をより意識した開発の重要性が意識できた。メンタリングを通じて、顧客の利用環境を想像しながら開発する楽しさや、エンジニア以外の方たちと議論することが新たな気づきになることが学べた。フリーランスのため普段は一人で仕事をすることが多いが、チームでプロダクトをつくる大切さや難しさを体感できた。実践形式のメンタリングは、その都度、メンターに問題点の悩みや改善について、確認できてよかった。お客様の声本事業を通じて、最新の知見を持つ企業から講師を招いていただき、新潟にいながら最新の知見に触れる機会を作ることで、多くのエンジニアや学生等のスキルアップにつながったほか、NINNO ACCADEMIAとの連携等により、新潟におけるエンジニアコミュニティの拡大に寄与いただきました。また、今回新たに取り組んだアイデアソンについても、ポジティブな声が多く、一定の効果はあったと感じているところです。2024年度もDERTA様と連携した取り組みを進め、コミュニティの活性化や新しいビジネスの創出につなげてまいりたいと考えております。Credit企画、ディレクション:坂井俊、須貝美智子、齋藤華イベントファシリテーション:齋藤華イベント運営:坂井俊、須貝美智子、齋藤華