新潟県内外の大手企業・スタートアップ・ベンチャー企業が、デジタル、DX、イノベーションなどをテーマにしたさまざまな講座・イベントを開発し、提供する教育プログラム「NINNO ACCADEMIA」。新潟駅南口から徒歩1分の好立地に位置するコワーキングスペース&貸会議室「NINNO3」を会場とし、月に数回の講座やイベントを展開しています。■NINNO ACCADEMIA公式サイトhttps://ninno-plaka.com/accademia/今回DERTAは、NINNO ACCADEMIAの講座・イベント参加者を対象に、学び合いと交流を促進するコミュニティの立ち上げ・設計、および運用支援を包括的に担当しました。本記事では、そのプロジェクトの背景と具体的な取り組みについてご紹介します。 ※本記事は2023年度の取り組みを中心に記載しており、コミュニティ運用伴走支援は2024年度も継続中です。2024年度の更新も予定しております。プロジェクトの背景NINNO ACCADEMIAプロジェクトは、2023年9月に始動した取り組みです。「ITスキルやグローバル人材を育成するためのオープンアカデミーの開校を通して、新潟からイノベーションの入り口を開く」ことを目的にしています。2023年度は、5社による連続講座と6つのスポットイベントを提供。社会人から学生まで、様々な年齢・職業の方々が多様な目的で集い、スキリング(※1)やリスキリング(※2)を実践しました。(※1)スキリングとは...現在の職務や分野でのスキルを習得すること(※2)リスキリングとは...新しい分野のスキルを習得することそんな中、株式会社BSNアイネット 執行役員 イノベーション推進室長/本プロジェクトのオーナーである坂田様は、「イノベーションは『人と人との出会い』から生まれる」という信念のもと、この場からイノベーションを生むためには、講座やイベントの参加者一人一人が学びを深めるだけでなく参加者同士が継続的につながり合える環境が不可欠だと考えられ、コミュニティの立ち上げを検討されていました。そこで、自社でも学び合いのコミュニティを運用し、他社様のコミュニティデザインの伴走支援も提供する株式会社DERTAにお声がけいただきました。DERTAは、「ひと」「仲間」「地域」をもとにした「共創コミュニティ」を核に地域社会のデザインに貢献し、様々な挑戦が生まれる土壌づくりを目指しており、今回コミュニティの設計から運営まで携わらせていただくことになりました。立ち上げ時のコミュニティ設計やコンテンツ企画・実行に加え、コミュニティマネージャーを配置し、メンバーとの継続的なコミュニケーションも担当いたしました。取り組みについてコミュニティ設計コミュニティ設計では以下の4つに取り組み、コミュニティの基盤を構築しました。コミュニティ設計のためのフレームワークの実施オンライン・ハンドブックの作成オンラインコミュニケーションツール「Discord」導入・整備コミュニティマネージャーの配置その後、フレームワークの結果に基づき、コミュニティの全貌をまとめた「オンライン・ハンドブック」を作成。コミュニティのビジョン、参加条件・参加方法、メンバーになるとできること、ルールなど、メンバーにコミュニティの概要を伝える際に必要なすべての情報をまとめました。新規メンバーが欲しい情報を的確に取得できるよう、言葉遣いや視覚表現にも配慮いたしました。■NINNO ACCADEMIAコミュニティ オンライン・ハンドブックhttps://www.notion.so/NINNO-ACCADEMIA-959f9376a31b4d8ab329c9365a15be96コミュニケーション基盤としては、オンラインボイス・チャットツール「Discord」を採用。複数のツールを検討した上で、使用料が無料であるため運用を継続しやすい、チャットの履歴が消えない、ボイスチャット機能を活用したオンラインイベントの実施も可能、交流を盛り上げるリアクションなどの機能が豊富などの理由から、今回はDiscordを選定。チャンネル構造、権限設定、イベント告知機能など、細部にわたり綿密な設定を施し、メンバーの自発的な参加を誘発する環境を整備しました。また、専任のコミュニティマネージャーを配置し、クライアントの限られたリソースを補完する運営体制を構築しました。コミュニティマネージャーは主にメンバーとのコミュニケーションやコンテンツの企画・実施を担当します。ただ、本コミュニティにおけるコミュニティマネージャーは、単なる管理者としてではなく、メンバーの成長をサポートする伴走者として、メンバーの主体性を引き出す個別最適化されたアプローチを行うよう心がけました。コミュニティ運営コミュニティの基盤が構築されたあとは、以下の4つのアプローチを展開し、コミュニティを育成しました。講座・イベント参加者へのコミュニティ入会案内オンラインコンテンツの企画・運営心理的安全性を重視したコミュニケーション交流促進のためのリアルイベントの企画・運営まずは、ターゲットである講座・イベント参加者にコミュニティの存在を知っていただくために、コミュニティマネージャーが講座やイベントの前後にお邪魔し、対面での丁寧な入会案内を実施。オンライン上(Discord)で展開される今後のコミュニケーションに向けた信頼関係の基盤を構築しました。メンバーとの最初の接点において、コミュニティマネージャーの顔や人となりを共有することで、オンラインコミュニケーションへの心理的な障壁を少しでも低減するため、入会案内はリアルで行うことにこだわりました。コミュニティの定期コンテンツとして、Discordのボイスチャット機能を活用した「コミュニティラジオ」を毎月開催。本コミュニティのメンバーは異なる講座・イベントの参加者であるため、交流以前に、メンバー同士のプロフィールが分からないことが課題と捉えていました。そこで、メンバーをゲストに招き、パーソナルを深掘りするようなラジオ企画を考案。リアルタイムで聞けない方に配慮し、録音データやテキストでのレポートも残すことで、さらなる交流の促進に貢献しました。■今までのコミュニティラジオアーカイブとレポートは、オンライン・ハンドブックでも公開していますhttps://chief-dinner-a0a.notion.site/fff35d9895178198b2c2d79b19934821加えて、Discordのチャット機能も活用し、イベント案内や有益な情報を継続的に発信しました。コミュニティオーナーとマネージャーによる積極的な情報発信により、開かれた雰囲気を醸成。メンバー間の自発的な交流を促進しました。さらに、メンバーのエンゲージメントを更に向上させる手段として、2023年12月と2024年3月にリアルイベントも2回開催。特に3月のイベントでは、連続講座の参加を終えた受講者数名をゲストに招き、半年の成果を発表するピッチ大会兼交流会を開催しました。参加者同士が講座・イベントを通して得た学びをシェアする機会を作ることで、イノベーションの促進に貢献しました。お客様の声NINNO ACCDEMIAでは「イノベーションは人と人とのつながりから生まれる」という考えを大事にしており、受講者が交流できるきっかけを作りたいと考えNINNO ACCADEMIAのコミュニティ運営をお願いすることにしました。コミュニティの立ち上げにあたって右も左もわかりませんでしたが、DERTAのメンバーに丁寧に伴走支援していただき方向性を定めることができました。またDERTAとの打ち合わせを通してNINNO ACCADEMIAが大切にしていることや目指す姿を再確認できたという点でも非常に意義のある時間でした。立ち上げから約1年が経ち徐々にコミュニティ登録者数が増えていますが、今後さらに盛り上がり、NINNO ACCADEMIAコミュニティからイノベーションが生まれることを期待しています。Credit企画、ディレクション:坂井俊、須貝美智子コミュニティ設計:坂井俊、須貝美智子、齋藤華、山之内麻菜